メディカルアフェアーズ情報
メディカルアフェアーズの最新情報を更新していきます。
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コラム
メディカルアフェアーズ活動とSOPの意義
コラム2024.08.07 (Wed)2024.08.07 (Wed)メディカルアフェアーズ活動とSOPの意義
企業の活動方針や行動規範は、様々な形で示されています。こうした企業の方針や規範の下で、規模の大きな企業や多様な業務を担う企業では、部門単位、あるいは部署単位で活動方針や行動規範を定められることもあります。こういった方針や規範を基にして、それぞれの業務ごとに手順書やマニュアルなど、言い方はいろいろありますが、口伝ではなくドキュメントの形になったものが存在しています。このようなドキュメントの目的は、業務で得られた知見の共有などの意味合いと、品質や信頼性が担当者によって変わらないようにするためのものとなります。 -
コラム
内勤のメディカルアフェアーズの役割
コラム2023.05.12 (Fri)2023.05.12 (Fri)内勤のメディカルアフェアーズの役割
製薬企業によってMAの形態は様々あり、組織名や役割の区分が異なりますが、主に内勤のMAは、MAプラン構築・管理業務、研究者主導型研究の管理やMAが主導あるいは共同研究となる市販後臨床研究等の遂行・管理の実施などを担う業務、HCPや患者さんあるいはMR等からの問い合わせに対して医学的・科学的観点での回答を行う業務、MA内の人材育成や活動の評価分析を行う業務があり、この他にもMA資材の作成や製薬企業として外部に発信する各種販売促進資材のサイエンティフィックレビュー業務など、多様な業務があります。これらが業務ごとに組織化され、遂行されている企業もあれば、外勤となるMSLやメディカルエデュケーション(MedEd)活動も含め、複数の業務を個人で担当する組織体制になっている企業もあります。これは、それぞれの企業の状況によって異なり、分業を進めることに対するメリット・デメリットを考えながら体制構築を進めていく必要があります。これら各業務の詳細や、担当者に求められる資質については、別の機会のコラムで触れていきたいと思います。 -
コラム
MA/MSLの教育体系の現状
コラム2023.01.25 (Wed)2023.01.25 (Wed)MA/MSLの教育体系の現状
製薬業界に携わる前、複数の業界と関わった中での経験ではありますが、製薬業界におけるMA/MSL部門の教育体系は、目指す姿が共通認識され、まさにこれから企画・整備に向かっている段階ではないかと受け止めています。これまで接点を持った製薬企業数社では、専門的な知識やスキルに関する研修を取り入れたいとのお話しをいただき、いち早く、MA/MSLの機能を確立したいとの想いが強く伝わりました。 そのような中で、専門的な知識のインプットやスキル習得と共に、気づきや感性を体験から養うソフトスキルの教育プログラムを取り入れようとのお声がけは現時点でまだ少なく、これから徐々にお聞きするのではないかと推察しています。 例えば、自分や相手について考え方や感情面まで深く理解できるような「コミュニケーション」を体験的に学ぶ教育プログラム。自らの価値観とスキルに強い確信が持て、どのような志を大事にするかの「自発性」マインドを育てる教育プログラム。そして、プロジェクト管理のためのマネジメントだけでなく、状況に応じて人間同士が力を合わせると大きな成果を狙えるグループダイナミズムも体感できる「リーダーシップやマネジメント」のプログラムなど。一言で言えば継続的に人間力を育てるプログラムを取り入れたいとのお話はまだ少ない傾向にあります。 大前提となるビジョンや戦略、事業計画、そして現実的に起きている問題から切り離さずに教育プログラムは計画立案する事が望まれます。そのため、やはり専門的な知識やスキルの習得は優先せねばならないかもしれません。しかしながら、周知の通り、我々が生きているビジネスの世界はなかなか計画通りには進まず、常に軌道修正しなければ成功が難しくなっています。だからこそ、相手や状況に対する鋭い感受性や、速やかな意思決定ができる揺るがぬ価値基準、目標達成のために共感して巻き込む力、新しさを具現化する力など、ソフトスキルもきっと必要になることでしょう。 教育を通して目に見える効果を求める一方で、組織・部門が永続するために人間形成の部分も企業内教育の範囲としてどれだけ捉えられるのか、私自身、専門性と人間性の教育の両面で皆さまのお役に立ちたいと考えています。 当社の教育・研修に関してご相談やご質問等ございましたら、いつでもお気軽にご相談くださいませ。 お問い合わせ -
コラム
メディカルエデュケーションって何?
コラム2022.10.03 (Mon)2022.10.03 (Mon)メディカルエデュケーションって何?
国内外の製薬企業の中には、メディカルアフェアーズ部の中にメディカルエデュケーション(ME)というチームを設けている企業があります。私の記憶では国内では外資系製薬企業2社に存在していたと思います(2022年10月現在)。 もともと欧米では、医療従事者の継続教育のために、製薬企業がその一部分を支援することが大きな役割の一つであったと思われます。実際、私は海外で製薬企業のメディカルエデュケーションの活動を見たことがあるのですが、非常に幅広い活動をしていました。具体的には、現場で教育のニーズを探り、そのニーズに対して製薬企業としての強みが活かせるのであれば実際にマテリアルの作成から教育プログラムの企画・運営までしていました。また、教育プログラムの参加者に対してはNPS(Net Promoter Score)を含めた緻密なアンケートを取り、常にレベルの高い教育ができるように改善を重ね、活動の質の向上に努めていました。そのほか、学会のブースの設置や対応、デジタルコンテンツの作成なども行っていました。もちろん、コンテンツについては常に公平性を担保(エビデンスをもとに資料を作成する。意図的に自社製品の宣伝になるようなストーリーにしない。)していたと思います。 国内における製薬企業のMEについてはどうでしょうか。いわゆる内資系製薬企業にはこのような部門はまだ存在していないのではないかと思います。外資系企業においてはME部を設置し活動している企業があります。具体的には、メディカルマテリアルの作成、学会のブース企画・運営、アドバイザリーボードミーティングの企画、学会シンポジウムの企画などが主な業務となります。 MEを国内導入したころは、「私たちの業務は医師への教育です」という言葉を医師に対して使い、医師からは「製薬会社が私に何を教育してくれるんだい?」と叱られてしまうようなことがたびたびあったようです。そのほか、「活動の公平性を担保することに企業としてどのような意味があるのか?」などコマーシャル部門からはなかなか理解が得られにくいということもありました。このように、日本国内では海外のME部門の活動のようにスムーズに受け入れ難い環境でしたが、最近ではかなりその活動の意義が浸透してきたのではないかなと思います。 では、MEはメディカル戦略プランとは関係なく活動するのでしょうか?その答えは「No」です。製薬企業が新たに製品を市場に出す際には、実際のところ、医療従事者に対して様々な情報を提供しなくてはなりません。その情報とは主に製品情報です。メディカルアフェアーズにおいては、製品そのものの情報というよりはその疾患領域の情報がメインとなります。その疾患について医療従事者に正しく理解をしてもらうことが目的です。そのため、メディカルアフェアーズ部に属するMEチームは、当該疾患領域のトップのTL(Thought Leader)と折衝し、エビデンスに基づいた公平な資材を作成することも業務として行います。 一昔前はMEは「イベント屋」的な見られ方をされていたこともあったようですが、それは間違った解釈です。MEは教育ニーズを探り、そのニーズに答えていくための非常に意義のある専門業務であると思っています。 下記の論文ⅰ)に国内外のメディカルエデュケーションの活動について詳しく書かれていました。ぜひ参考にされてください。 -
コラム
メディカルアフェアーズ部に所属して仕事をするには?
コラム2022.10.03 (Mon)2022.10.03 (Mon)メディカルアフェアーズ部に所属して仕事をするには?
MAでは様々な業務が行われており、それぞれの業務に高い専門性を必要としています。特にMSL(メディカルサイエンスリエゾン)においては、社外医科学専門家(STL)との医学的・科学的な議論や学会活動等を通じて、UMN(アンメットメディカルニーズ)の解決に寄与、さらに高い倫理観が望まれます。こういった背景から日本製薬医学会では、MSLの資格要件として医学・薬学関連の大学教育を受けた者と提言していましたⅰ)。さらに2022年に日本製薬工業協会(製薬協)は、「MSLの目指すべき方向性」を発表し、その中でMSLの任命要件として、医療資格の保有(医師、歯科医師、薬剤師、看護師など)や、生命科学系の博士号の保有を推奨するとしましたⅱ)。これは、MSLが社外医科学専門家から真に信頼されるパートナーとして医学的・科学的な交流を行うにあたり、研究業績を挙げた経験を持つ科学者として博士であることがより望ましいと考えたと説明されています。 こういったハード面での要件の他に、高度な専門知識、 科学的中立思考、高い倫理観、科学的議論ができるコミュニケーションスキル、ビジネスに対する洞察力、自己研鑽への意欲などのソフトスキルも必要となってきます。 -
コラム
そもそもメディカルアフェアーズって何だ?
コラム2022.10.03 (Mon)2022.10.03 (Mon)そもそもメディカルアフェアーズって何だ?
メディカルアフェアーズの目的や役割については、当該ホームページの「メディカルアフェアーズとは」に記載いたしましたので、ここではもう少し踏み込んだ話をしてみたいと思います。 製薬企業では、メディカルアフェアーズ部門はマーケティングや営業部などのコマーシャル部門とは切り離されているところがほとんどだと思います。そのため、マーケティング戦略とメディカルアフェアーズの戦略は別々に作られることも多いとは思いますが、実はメディカル戦略はマーケティング戦略の一部なのです。 一般の消費財やサービスを提供している企業からすれば、これらを切り離して戦略が立案されていることに違和感を持つかもしれません。 では、なぜ製薬企業は二つの戦略を分けているのでしょうか? 製薬企業は生命関連性が非常に高い製品を研究開発・製造・販売しているため、製品を「売る」ということを第一の目的に掲げる部門と、実際にヒトを対象とした臨床研究を行う部門とは明確に分ける必要性があったのです。逆に申し上げますと、両者を分けていないと別ページで述べたような事件が起こってしまうかもしれません。 メディカル戦略は、顧客である医師や患者のアンメットメディカルニーズを捉え、その解決に向けて活動を行うことによって製品自体の価値を高めることを目的とした部門です。一方、マーケティング部門は、製品が市場に出て「売れるしくみ」を考える部門です。 ここで一つ誰もが疑問に思うことがあります。 企業は利益を得ることを目的としているにも関わらず、なぜ、製薬企業はメディカルアフェアーズ部門のような一見売上獲得とは関係なさそうな組織に多くのリソースをかけているのでしょうか? 両者は目的が異なるように見えますが、実はそれほど遠くないものと思います。マーケティング部門は短期的~長期的に製品を売るための戦略を立てます。営業部門は、立案されたマーケティング戦略に基づいて比較的短期的な視点で売上獲得に主眼をおきます。メディカルアフェアーズ部門は、製品の価値を高めるために顧客(医師や患者)のニーズを取得してその解決策に取り組みます。その解決策のほとんどは臨床研究によって行われます。これら臨床研究によって得られた結果は論文などで公表されますが、その結果を日本あるいは世界中に発信します。その発信の役割を担うのがマーケティング部門や営業部門ということになります。 つまり、コマーシャル部門とメディカル部門は直接の役割は異なりますが互いに連携しているのです。互いの戦略は別々に立案されますが、メディカルアフェアーズで立案された戦略は実はマーケティング部としっかりとコンセンサスを得て進められています。 このように、メディカルアフェアーズ部門は、顧客のニーズを把握して臨床研究を行うという一連の流れを担うため、短期的にすぐに結果を出せる部門ではありません。したがって、戦略的には中長期的な売上獲得を目的とした部門であると解釈することもできるでしょう。 以前、多くの製薬企業がメディカルアフェアーズ部門を立ち上げた頃は、コマーシャル部門とメディカルアフェアーズ部門の仲があまりよくないということをよく耳にしました。その理由は、互いに見ている視点(ターゲットとしている期間)が異なるために、互いの意見がかみ合わないようなことがあったからなのだと思います。 製品価値を高める活動が、なぜ企業に必要なのかの理由については、CSV(Creating Shared Value)のコラムで詳しく書きたいと思います。