メディカルアフェアーズ情報
メディカルアフェアーズの最新情報を更新していきます。
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コラム
MA活動におけるSTLエンゲージメントの意義
コラム2024.10.17 (Thu)2024.10.17 (Thu)MA活動におけるSTLエンゲージメントの意義
「顧客エンゲージメント」は、種々の専門家によって多くの表現で定義されていますが、いずれにせよ「顧客との関係構築」が重要な要素となります。MAにおける「STLエンゲージメント」においては、STLと①健全かつ良好な関係を構築すること、②最新の医学的・科学的な情報を交換すること、③課題の理解およびその解決に向けて協働すること、これらが重要な要素として含まれるでしょう。 MA活動は、メディカルプランに基づきますが、そこにはMAとして解決したい課題、達成したい目標があり、その解決・達成のための筋道が描かれます。具体的には、臨床的に価値のあるデータを創出する、疾患に関する情報を発信する、といった施策がとられます。そして、どの施策においても、重要な外部ステークホルダーたるSTLとの関係構築が必須となります。 -
コラム
ターゲットにすべき社外医科学専門家とは?
コラム2024.09.04 (Wed)2024.09.04 (Wed)ターゲットにすべき社外医科学専門家とは?
STL選定業務をご相談いただいた際、最初のお打ち合わせの中で必ずお伺いしていることがあります。 「どのような先生をターゲットにしたいか、イメージはありますか?」 当社のSTL選定業務サービスにおいて、最も重要視しているのは「選定条件確定までのお打ち合わせ」です。選定条件さえ決まれば、あとは誰がやっても同じものが出来上がります。なので、上記の質問をお伺いする際には、対象の疾患やその治療戦略に対し卓越した見識と影響力がある先生というところはベースに置きつつ、さらに踏み込んで、「その中でも、貴社のMA戦略プランや活動の方向性を考えたときに、関わるべき先生・必要な先生はどういう方か?」というところまで、聞き出すようにしています。そして、ここで出していただいた考えやご要望を軸に、必要な調査項目は何かを考え、それぞれの調査における選定条件を決めていきます。 例えば、「○○疾患に関連するSTLリストを作成し、その中から、MSLによる面談活動のターゲットを決めていきたい。」というざっくりとしたご要望だったとしても、MSLに何を求めるかによって選定方法は変わってきますので、しっかりとヒアリングさせていただきます。MSLに継続的に面談を重ねてもらうことを期待したり、MSLにディスカッションしてほしいテーマや情報収集してほしいトピックを設定したりするのであれば、経歴や研究活動から、MA戦略プランでフォーカスすることを決めたトピックや活動の方向性に関心がある(少なくともありそうな)先生を、リスト作成段階でしっかりと見定めておく方が効率的です。 -
コラム
メディカルアフェアーズ活動とSOPの意義
コラム2024.08.07 (Wed)2024.08.07 (Wed)メディカルアフェアーズ活動とSOPの意義
企業の活動方針や行動規範は、様々な形で示されています。こうした企業の方針や規範の下で、規模の大きな企業や多様な業務を担う企業では、部門単位、あるいは部署単位で活動方針や行動規範を定められることもあります。こういった方針や規範を基にして、それぞれの業務ごとに手順書やマニュアルなど、言い方はいろいろありますが、口伝ではなくドキュメントの形になったものが存在しています。このようなドキュメントの目的は、業務で得られた知見の共有などの意味合いと、品質や信頼性が担当者によって変わらないようにするためのものとなります。 -
コラム
Patient Journeyを描く際のTips
コラム2024.03.04 (Mon)2024.03.04 (Mon)Patient Journeyを描く際のTips
つい先日、私は、「Emotional journey of patients with specified intractable diseases in Japan」という論文を発表しました。2024年3月1日現在は、速報でインフォーメーションされています。(リンク) この論文は、難病の患者さんを対象に確定診断遅延に関わるアンメットニーズを探るために、患者さんのEmotion(感情)の状態を明らかにし、かつ、それを定量的に示したものです。感情の状態が最も低くなるところにこそ患者さんのアンメットニーズが存在している可能性が高いことを私は常に提唱してきましたが、この研究はその一つの例となります。 また、当該研究は、限られた数の患者さんへのインタビューではなく、比較的多くの患者さんを対象としたアンケート調査によって、「感情の状態」を捉えた研究です。 -
コラム
フィールドメディカルアドバイザーとは
コラム2023.11.08 (Wed)2023.11.08 (Wed)フィールドメディカルアドバイザーとは
メディカルアフェアーズが行う活動の認知度が上がり、その重要性が注目される中で、MSLが行う「フィールドメディカル活動」の質や効率についての意識も強くなっています。メディカルプランの中で、MSLがどのようなアクティビティに関与し、そのアクティビティやメディカルプランそのものに影響を与えるようなインサイトをどのように収集するかは、多くの製薬企業が抱えている課題の一つと言えるかと思います。 特にメディカルアフェアーズを立ち上げて日が浅い企業や、未経験MSLを積極的に登用していたりフィールド活動を専門的に行うMSLを置いていない企業においては、その課題はより大きなものとなります。実際、私たちにもそのような課題をどのように解決すべきかという相談を受けることがしばしばあります。 -
コラム
MSLにおける面談の「型」について
コラム2023.08.22 (Tue)2023.08.22 (Tue)MSLにおける面談の「型」について
当社は、「MSLと医師の科学的な意見交換の方法」についてトレーニングを提供しています。特にそのニーズが高いのは、新設されたばかりのMSLチームです。製薬業界では、自社医薬品のライフサイクルに合わせて、メディカルアフェアーズおよびMSLチームの新設・組替えがダイナミックに行われます。昨今は、営業部門の縮小と並行して、営業部門からのMSLの供給が増えるという現象も生じています。そのような中、MSLマネージャーは、急場でチームを作ることが迫られます。現状、MR出身のMSLが割合として最も多いと思われますが、他に開発(CRA含む)や研究職(アカデミア含む)も加わって、MSLチームが構成されることになります。チームを早く機能させるために、多様なキャリアを持つメンバーのマインドセットや目線を合わせることが急務となります。そのような中、自社でMSLに特化した研修を実施するリソースや経験が少ない場合や、外部の視点が必要な場合に、当社に依頼が来ることになります。 -
コラム
患者団体との協働について
コラム2023.07.07 (Fri)2023.07.07 (Fri)患者団体との協働について
2023年1月23日のコラム「Patient Centricityとは何なのか?」でも述べました通り、製薬企業をはじめとした多くのヘルスケア関連企業が、Patient Centricityという言葉を掲げていますが、その活動の1つとして、患者団体との協働があります。当社としても、企業と患者代表が医療上の問題について議論し、共に解決に向けた取り組みをすることは、望ましい社会の在り方だと考えます。その一方で、両者の関係が不健全なものにならないよう、利益相反には常に気を配らなければなりません。例えば製薬企業の場合、日本製薬工業協会(製薬協)が、「患者団体との協働に関するガイドライン」1を出しています。当社は製薬企業でございませんが、上記のガイドラインを参考にして活動しています。あくまで患者の利益を重視し、公正な立場で関わっております。 最近の活動をご紹介しますと、全国膠原病友の会様と共同で医療講演会を実施しました(2023年5月11日「正しく学ぼう!膠原病の最新治療」2)。この講演を実施するにあたり、理事の方と定期的に会議を開きましたし、企画にあたっては会員の方から意見も募りました。講演会のコンセプトについては当該団体の意思を尊重し、私たちは会を進行する上で必要な助言をするにとどめました。当社は医薬品等を製造販売しているわけではありませんので、利益相反が生じず、お互い公正な立場でやり取りができたと感じています。 -
コラム
患者サポートプログラム 事例紹介2~医療機関とのコミュニケーションサポート~
コラム2023.06.16 (Fri)2023.06.16 (Fri)患者サポートプログラム 事例紹介2~医療機関とのコミュニケーションサポート~
今回は副作用の症状を自覚しながら受診時に医師に報告を躊躇うBさんの事例です。半年前に○○癌と診断され、大学病院に通院しています。診断後すぐに治療が開始されました。幸い、早期発見のため薬物療法から開始することとなり、患者サポートプログラム(PSP)対象の薬剤が処方されたため医療機関からプログラムを紹介されすぐに登録となりました。 PSP看護師が、定期的に状況を伺うお電話を行い、注意して欲しい症状(△△)について毎回話をしておりました。△△が出てきた場合や少しでも症状が悪化していると感じた際にはすぐに医療機関に電話し、指示を仰ぐように依頼していましたので、△△について注意すべきとの自覚がありました。(個人差はありますが、△△は早期に対応すれば薬剤を中止せず減量等で継続できます。) あるコール時にいつものように様子を伺うと、前日から△△らしきものがあると話をされました。担当のPSP看護師が様子を聞き、医療機関に電話して指示を仰ぐように伝えたところ「この症状を伝えたら薬剤中止になるのでしょうか?」とのコメントがありました。話を伺うと、せっかく薬剤の効果も見られてきたため、中止したくない。治療を開始して日常生活への影響もほとんどなく、注意すべき症状は我慢できるから報告しない方が良いと思っているとのこと。更に、他剤に変更となると、対応できる薬剤が減っていく可能性も考え、なるべく長い期間同じ薬剤で頑張りたいとの意向がある状況でした。気持ちはよくわかります。数字的な効果も表れ、前回の受診時には医師から「効果が確認できますね。○○さんに合っているみたいなので、このまま続けましょう。」と言われていたら、多少辛くてもこのまま続けるのが一番良い!と考えてしまうのですね。 看護師は添付文書上も“適宜減量”の記載もあり必ずしも中止になるとは限らないこと、早期に対応することが一番重要であることを伝え、医療機関への報告と今後の指示を仰ぐよう依頼しました。加えて、Bさんが薬剤を継続したいと思っていることを伝えても全く問題ないことと、医師はBさんの意向も踏まえ、他の検査値等の状況を加味して指示することになると考えられることを伝えました。その後、Bさんは医療機関に電話し、受診日変更と受診日までの薬剤の指示がなされました。薬剤は減量して継続となり、△△の症状改善の薬も処方され、△△はほぼ改善された状況となりました。 この件の後も看護師からの定期コールは続いており、薬の効果を実感しながら前向きに治療を継続している様子を確認しています。薬剤中止になった場合にはPSPのサービス提供も基本的に中止となりますが、そのような場合でも的確な治療を医師が選んでいること、薬が合致するか確認する期間が必要とされることもあること、患者さんの意思を医師に伝えることはとても重要であることを伝え、その後の治療も前向きに受けていただけるような会話で終了する形を心がけております。 患者さんの意思を医師に伝えながら治療できるようにサポートする事例紹介でしたが、いかがでしたでしょうか? 当社PSPメンバーでも、いざ自分が患者となり受診すると、あれを伝えればよかったとか、これを聞いてみればよかったと振り返ることあるよね、と話をすることもあります。同じような経験をしたことがある方は多いと思います。そのような時にPSPを活用いただけると感じております。 クライアントの方の意向で、一人の患者さんに対し、無期限(プログラム自体が終了するまで)でフォローするケースや一定期間のフォローとなるケースなど様々です。いずれの場合にも弊社ではインバウンドコールはいつでも(含:一定期間終了後)引き受ける形のプログラムで運営しております。患者さん/ご家族に対し、同じ看護師が継続して対応することで、ちょっとしたことを確認する時にも連絡しやすい環境を整えております。ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ