メディカルアフェアーズ情報
メディカルアフェアーズの最新情報を更新していきます。
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コラム
患者サポートプログラム(Patient Support Program)とは
コラム2022.11.21 (Mon)2022.11.21 (Mon)患者サポートプログラム(Patient Support Program)とは
近年の環境変化の中で、各製薬会社は「Patient Centricity」の活動を活発化しています。どの部署に所属していても、「Patient Centricity」を基に、様々な戦略・施策が検討され、常に患者さんを中心に議論されることが求められています。 そのような流れから、直接、患者さんをサポートする様々なプログラムが提供されてきています。当社においても、コンサルティングを行う中やMAアカデミーの講義の中で「患者サポートプログラムとは具体的に何をしたらいいのですか?」「患者サポートプログラムの効果検証が難しいのですが」「○○を行ったけれど、患者さんからの評価はあまりよくなかったのですが」と言った声を聴くことが増えてきました。 患者さんをサポートするプログラムは、Patient Support Program(PSP)と呼ばれますが、PSPには様々な形態があります。服用管理のアプリの普及もさかんですよね。これまで医療機関経由で入手していた各疾患・薬剤の資料「患者さん向け資材」を郵送してくれるサービス、SNSや電話を通じて直接話をするサポート、薬剤を個宅配送するサービス検討も増えてきています。 ではなぜPSPがさかんになってきたのでしょうか?これまで製薬企業は主に医療機関から患者さんの情報を入手していました。しかし医療機関側でも患者さんの状況を全て把握することは難しい状況です。患者さんも「何か対応してもらいたいほど困っていない」「忙しそうに仕事されているからあまり余計なことは言わないようにしよう」「我慢できるから受診は次回の予約まで待とう」と考えることは容易に想像できると思います。これらが結果として“医療のムダ”に繋がっている可能性があります。適切なタイミングで介入し、治療からの脱落を防ぎ、治療効果の最大化や医療資源の有効活用に繋げるためにPSPがさかんになったと考えられます。 当社では主に電話での会話を通してPSPを実施しています。“MSL(メディカルサイエンスリエゾン)の役割とその活動の重要性とは” でも紹介しているインサイト収集ですが、当社PSPでは患者さんのインサイトを収集しています。会話を通じて、何となく感じていたことを患者さん自身も認識するようになることも多々ありますが、このインサイト収集は本当に一筋縄ではいかないです。 次回以降、PSPを通じてどのような行動変容があったか等をご紹介していきたいと思います。 当社PSPに関してご相談やご質問等ございましたら、いつでもお気軽にご相談くださいませ。 お問い合わせ -
コラム
MSLのコミュニケーションスキルとは
コラム2022.10.03 (Mon)2022.10.03 (Mon)MSLのコミュニケーションスキルとは
私たちは、製薬企業のMSLを対象にした面談研修を提供しています。その蓄積されたデータから、いくつか見えてきたものがありますので、ここで一部を述べたいと思います。 そもそも論で恐縮ですが、スキル云々の前に、「MSLは何のために医師と面談するのか?」という目的意識が最重要であると感じます。MSLは、営業とは異なり、「自社製品を処方してもらうこと」が目指すところではありません。メディカルアフェアーズの一員として「アンメットメディカルニーズの充足」を目指しており、そのために医師に情報提供したり、意見交換をしたりしているわけです。効果的なコミュニケーションのためには、まず、MSL自身が「アンメットメディカルニーズ」について深く思考しているかどうかが問われるでしょう。 少しスキルの話をすると、「ギブアンドテイクを意識する」ことが重要でしょう。これは、もちろん金銭的な話でも労務的な話でもありません。単にインタビューのように一方的に聴取しても、医師からすれば真剣に答えなければならない義務はないですので、当たり障りのない返答で済まされてしまう恐れがあります。このような面談が続くと、医師からすれば得られるものが無いので、MSLとの面談に躊躇するかもしれません。MSLの上級者は、「情報を与えながら、引き出している」と感じます。すなわち、医師が興味を持つように情報を提供し、その反応をみながら、話を深堀りして、医師の考えを収集しています。 態度に関しては、「丁寧すぎない」ことが重要かと思います。相手への敬意を表すことに一生懸命で、議論が展開していかないようであれば、ちゃんと議論したい医師にとっては不満が募るでしょう。専門家として、医師を知的に刺激する存在である必要があります。 -
コラム
MSL(メディカルサイエンスリエゾン)の役割とその活動の重要性とは
コラム2022.10.03 (Mon)2022.10.03 (Mon)MSL(メディカルサイエンスリエゾン)の役割とその活動の重要性とは
今回は、MSLの役割について書きたいと思います。 私たちは、MAアカデミーというメディカルアフェアーズに特化した教育プログラムを提供しております。そのプログラムの第一回のメディカルアフェアーズ(MA)概論の講義において、「MSLはMA部の中で具体的にどのような役割をしているのか?」という質問を受けることがあります。 その回答としては、大きく分けて下記の3つになります。 MA戦略プランの立案においてはThought Leader(TL)のファクト・インサイトが必要となる。そのファクト・インサイトを収集し、戦略立案チームに情報をフィードバックする MA戦略プランで決定されたアクティビティを実施する 当該疾患領域における医科学的情報を収集する メディカル戦略プランとは、MA部門が活動するためのいわば計画書であり、MAはこの戦略にしたがって活動しています。メディカル戦略プランは自社が同定したアンメットメディカルニーズ(UMN)の解決策が書かれ、具体的にどのような活動が実施されるのかが記載されています。「いつ、何を、どこで、だれが」ということが細かく記載されます。UMNは、顧客(医師及び患者)からのファクトやインサイト情報をもとに同定されます。これらファクトやインサイトをMSLが現場から収集するのです。 「では、MSLの業務は誰でもできそうですね?」ということを言う人がいますが、そんなに簡単ではありません。ファクトは事実に基づく情報ですので誰もが入手できる情報かもしれませんが、インサイトについては簡単にはいきません。インサイトとは人がなんとなく感じていることだけれどもうまく言葉にできないことを指します。下の図に示したように実は本音よりもさらに深い部分に存在するのです。このインサイトを収集するためには一筋縄ではいきません。MSLは当該疾患領域のオーソリティであるTLと直接話をしながらインサイトを収集しますが「話をしながら・・・」とは何も世間話ではありません。TLと疾患や様々なエビデンスの話題を中心に話をします。その中でインサイトを収集することになります。したがって、MSLは医科学的な知識や考え方を持っているだけでなく、非常に高いコミュニケーションスキル、人間関係構築力が必要とされるのです。 少し話を前に戻しますが、MA戦略プランはMSLが入手したファクトやインサイトをもとに立案されるわけですので、MA戦略プランの質は戦略担当者はもちろんですが、MSLが持ってきた情報に大きく左右されます。別の見方をすれば、MA戦略プランはMA部の活動の計画書でありながら、その戦略はMSL自身が決めているとも解釈できるのです。 このようにMSLがいかに重要な任務を担っているかがお分かりいただけたのではないかと思います。これからMSLを目指そうとされている方の参考になればと思います。