Patient-Centricity Forum Vol. 1
製薬企業と患者の協働を考える

ディスカッションレポートとアンケート結果

第1回Patient-Centricity Forum を終えて

製薬業界では、”Patient-Centricity”と謳われ、患者中心の医療の実現に向けた様々な取り組みが注目されています。しかしながら、その一方で、企業側は患者のニーズをどのように効率的に入手し、アンメットメディカルニーズを同定すべきか手探りの状況が続いています。患者側は何を考え、何を期待しているのか、また、企業側は、患者のために何をすべきなのでしょうか。この問題における解決の糸口を見つけるため、我々はこのたびPatient-Centricity Forumを立ち上げました。

その記念すべき第1回のセミナーでは「製薬企業と患者の協働」をテーマに患者代表として全国膠原病友の会代表の森幸子様、製薬企業代表として大塚製薬株式会社の犬山里代様をパネリストにお迎えしました。

ご参加いただいた皆様のアンケート回答において、様々なお声を頂戴いたしました。とりわけセミナー後半のディスカッションに対し「多くの気づきを得た」という回答を頂戴いたしましたので、本ページにおいてレポートとして公開することといたしました。
”Patient-Centricity”に関心をお持ちの方に広くご覧いただき、患者さん中心の医療の実現に向けた取り組みにご活用いただければ幸いです。

出席者アンケートより

多くの出席者の方から回答を頂戴しました。ご協力いただき誠にありがとうございます。今後のフォーラム開催に活用させていただきます。

出席者属性

メディカルアフェアーズ部門(61%)の方が多数であり、当部門のPatient-Centricity活動に対する関心の高さが現れていました。その他にも、研究・開発部門や営業・マーケティング部門等、幅広い部門からご参加いただきました。
加えて、今回の回答者は、「今まで、患者と直接関わる業務についたことがない」(56%)方が多数でした。

注目ポイント

回答者の所属部門において、患者との協働を「具体的に取り組んでいる」割合は29%にとどまりました。

むしろ、「取り組もうとしているが、具体的に何をするか定まっていない」(31%)、もしくは、「取り組む必要性は感じつつも、それを始められる環境が整っていない」(22%)状況であり、多くの製薬企業では、まだまだ手探りの段階であるようです。

いただいたコメントから

回答者の皆様から、感謝のお言葉やご自身の思いなど、多くのコメントをいただきました。ごく一部ですが抜粋して紹介いたします。

“患者さんが何を求めていて、それを提供するために何をすればよいのか考えることが、会社のやるべきことに繋がることが実感できました。また機会があれば参加したいです。”

“製薬企業と患者さん視点それぞれのご意見を伺うことができ、自身が直面している課題や患者さん目線の重要性について再認識することができました。貴重で有意義なお時間ありがとうございました!”

“そろそろ企業が社会に見える行動をするときですね。また、このような企画があればご案内いただけると嬉しいです。”

一方、製薬企業と患者との協働に難しさを感じている方もいらっしゃいました。

“各社コンプライアンスのハードルが高いような気がします。”

“患者さんとのコミュニケーションの取り方についてはルールが社内的に定まっていません。“

“法規制の中で製薬企業が患者に直接アプローチできること、してはいけないことが良く理解できません。”

その他、実際例の共有を要望する声も多く、各社悩みながら取り組みを模索していると言えそうです。

Agenda

15:20

開場

15:30

ご挨拶および本セミナーのご説明
 田中 弘之

パネリストからのご発表
「Patient-Centricityとは何なのか?改めて考える」
 犬山 里代

「製薬企業との関わりから感じた課題と今後の期待」
 森 幸子

ディスカッション(質疑応答含む)

17:00

終了

Panelist(敬称略)

森 幸子 Yukiko Mori

全国膠原病友の会代表

犬山 里代 Lyo Inuyama

大塚製薬株式会社 メディカルアフェアーズ部長、医師

Moderator

田中 弘之 Hiroyuki Tanaka

シミック・アッシュフィールド株式会社
メディカルアフェアーズ事業部門長