患者サポートプログラム(Patient Support Program)とは
近年の環境変化の中で、各製薬会社は「Patient Centricity」の活動を活発化しています。どの部署に所属していても、「Patient Centricity」を基に、様々な戦略・施策が検討され、常に患者さんを中心に議論されることが求められています。
そのような流れから、直接、患者さんをサポートする様々なプログラムが提供されてきています。当社においても、コンサルティングを行う中やMAアカデミーの講義の中で「患者サポートプログラムとは具体的に何をしたらいいのですか?」「患者サポートプログラムの効果検証が難しいのですが」「○○を行ったけれど、患者さんからの評価はあまりよくなかったのですが」と言った声を聴くことが増えてきました。
患者さんをサポートするプログラムは、Patient Support Program(PSP)と呼ばれますが、PSPには様々な形態があります。服用管理のアプリの普及もさかんですよね。これまで医療機関経由で入手していた各疾患・薬剤の資料「患者さん向け資材」を郵送してくれるサービス、SNSや電話を通じて直接話をするサポート、薬剤を個宅配送するサービス検討も増えてきています。
ではなぜPSPがさかんになってきたのでしょうか?これまで製薬企業は主に医療機関から患者さんの情報を入手していました。しかし医療機関側でも患者さんの状況を全て把握することは難しい状況です。患者さんも「何か対応してもらいたいほど困っていない」「忙しそうに仕事されているからあまり余計なことは言わないようにしよう」「我慢できるから受診は次回の予約まで待とう」と考えることは容易に想像できると思います。これらが結果として“医療のムダ”に繋がっている可能性があります。適切なタイミングで介入し、治療からの脱落を防ぎ、治療効果の最大化や医療資源の有効活用に繋げるためにPSPがさかんになったと考えられます。
当社では主に電話での会話を通してPSPを実施しています。“MSL(メディカルサイエンスリエゾン)の役割とその活動の重要性とは” でも紹介しているインサイト収集ですが、当社PSPでは患者さんのインサイトを収集しています。会話を通じて、何となく感じていたことを患者さん自身も認識するようになることも多々ありますが、このインサイト収集は本当に一筋縄ではいかないです。
次回以降、PSPを通じてどのような行動変容があったか等をご紹介していきたいと思います。
当社PSPに関してご相談やご質問等ございましたら、いつでもお気軽にご相談くださいませ。