患者サポートプログラム 事例紹介2~医療機関とのコミュニケーションサポート~
患者サポートプログラム(PSP)を利用する患者さんのメリットは何でしょうか?
私たちが思っているよりも、患者さんは医療機関のスタッフに思いを伝えることを躊躇しています。
今回は2つ目の事例として、PSP看護師が患者さんの治療継続をどのようにサポートしているのか、患者と医師のコミュニケーションという観点からご紹介します。
今回は副作用の症状を自覚しながら受診時に医師に報告を躊躇うBさんの事例です。半年前に○○癌と診断され、大学病院に通院しています。診断後すぐに治療が開始されました。幸い、早期発見のため薬物療法から開始することとなり、患者サポートプログラム(PSP)対象の薬剤が処方されたため医療機関からプログラムを紹介されすぐに登録となりました。
PSP看護師が、定期的に状況を伺うお電話を行い、注意して欲しい症状(△△)について毎回話をしておりました。△△が出てきた場合や少しでも症状が悪化していると感じた際にはすぐに医療機関に電話し、指示を仰ぐように依頼していましたので、△△について注意すべきとの自覚がありました。(個人差はありますが、△△は早期に対応すれば薬剤を中止せず減量等で継続できます。)
あるコール時にいつものように様子を伺うと、前日から△△らしきものがあると話をされました。担当のPSP看護師が様子を聞き、医療機関に電話して指示を仰ぐように伝えたところ「この症状を伝えたら薬剤中止になるのでしょうか?」とのコメントがありました。話を伺うと、せっかく薬剤の効果も見られてきたため、中止したくない。治療を開始して日常生活への影響もほとんどなく、注意すべき症状は我慢できるから報告しない方が良いと思っているとのこと。更に、他剤に変更となると、対応できる薬剤が減っていく可能性も考え、なるべく長い期間同じ薬剤で頑張りたいとの意向がある状況でした。気持ちはよくわかります。数字的な効果も表れ、前回の受診時には医師から「効果が確認できますね。○○さんに合っているみたいなので、このまま続けましょう。」と言われていたら、多少辛くてもこのまま続けるのが一番良い!と考えてしまうのですね。
看護師は添付文書上も“適宜減量”の記載もあり必ずしも中止になるとは限らないこと、早期に対応することが一番重要であることを伝え、医療機関への報告と今後の指示を仰ぐよう依頼しました。加えて、Bさんが薬剤を継続したいと思っていることを伝えても全く問題ないことと、医師はBさんの意向も踏まえ、他の検査値等の状況を加味して指示することになると考えられることを伝えました。その後、Bさんは医療機関に電話し、受診日変更と受診日までの薬剤の指示がなされました。薬剤は減量して継続となり、△△の症状改善の薬も処方され、△△はほぼ改善された状況となりました。
この件の後も看護師からの定期コールは続いており、薬の効果を実感しながら前向きに治療を継続している様子を確認しています。薬剤中止になった場合にはPSPのサービス提供も基本的に中止となりますが、そのような場合でも的確な治療を医師が選んでいること、薬が合致するか確認する期間が必要とされることもあること、患者さんの意思を医師に伝えることはとても重要であることを伝え、その後の治療も前向きに受けていただけるような会話で終了する形を心がけております。
患者さんの意思を医師に伝えながら治療できるようにサポートする事例紹介でしたが、いかがでしたでしょうか?
当社PSPメンバーでも、いざ自分が患者となり受診すると、あれを伝えればよかったとか、これを聞いてみればよかったと振り返ることあるよね、と話をすることもあります。同じような経験をしたことがある方は多いと思います。そのような時にPSPを活用いただけると感じております。
クライアントの方の意向で、一人の患者さんに対し、無期限(プログラム自体が終了するまで)でフォローするケースや一定期間のフォローとなるケースなど様々です。いずれの場合にも弊社ではインバウンドコールはいつでも(含:一定期間終了後)引き受ける形のプログラムで運営しております。患者さん/ご家族に対し、同じ看護師が継続して対応することで、ちょっとしたことを確認する時にも連絡しやすい環境を整えております。ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。