2026.03.10 (Tue)

製薬企業におけるPublication業務について

製薬企業が臨床研究を実施し、得られた知見を社会に還元する。この一連の流れの最後に位置づけられるのがPublicationです。しかし、実務の現場では、社内外の多職種が関わるがゆえに、プロジェクト管理の煩雑さやベンダーとの業務調整など、担当者が頭を抱える場面も少なくありません。
本コラムでは、企業主導研究のPublicationが求められる社会的背景をふまえつつ、メディカルアフェアーズ(MA)部門が直面しがちなPublication Managementの課題について解説します。

製薬企業が実施するPublicationの意義とは

医薬品は適切な情報が付加されて初めて臨床的価値を発揮します。企業主導の臨床研究については実施体制やデータなどすべてに対して透明性、信頼性の確保がこの十数年の間に以前にも増して要求されるようになり、実施のハードルが高くなった印象もあります。しかしそうは言ってもやはり数百から数千例といったある程度の症例数を集めた大規模臨床研究は資金や運営体制の構築・維持や各作業工程のノウハウといった面からアカデミアでの実施は依然として難しく、製薬メーカーとCROなどの協業でないと実施困難な場合が多いというのが現実かと思います。そうして漸く得られた最新の科学的知見をアップデートし続けていくpublicationの作業は、安全性情報の提供と同様に製薬企が果たすべき社会的責任の一環であると思います。

Publication Managementについて

一般に企業がPublicationを実施する場合、社内外問わず多くの関連部門との協業が必要になってきます。主な部門としては社内だけでもデータの収集やCleaningを担当するData manager、解析作業を担当するStatistician、出力された解析結果と関連資料を基に実際に論文を作成するMedical writerなどです。このうちMedical writerについてはpublicationのプロジェクト全体をリードする役割もありますが、MA部門に専任で配置されていることは少なく、原稿作成作業のみをCROのライティング部門やライティング専門ベンダーに外注しているというのが多いのではないでしょうか。このように関連部門が社内外に分散してしまっている体制では社内で完結している場合よりも調整や意思決定、そして成果物の仕上がりまでに余分な労力や時間を要することになります。またMA部門ではそのプロジェクトのリードの役割をMAの内勤者が担っていることが多いですが、メディカルライティングの経験がある方は少なく、プロジェクトマネジメントに苦労されている場面もあるかもしれません。

当社としましてもPublication関連のプロジェクトマネジメントについてのご相談をいただくことが近年増えてきており、メディカルライティングの経験を有する担当者がプロジェクトをリードし、Publicationを円滑に進めるためのサポートをさせていただいています。ご相談やご質問がございましたら、いつでもお気軽にお問合せください。

ライター

矢野亮
シミック・イニジオ株式会社  メディカルアフェアーズ メディカルソリューション部
矢野亮
大学院修了後、複数のCROにてメディカルライターとして治験の総括報告書や臨床研究の論文、学会発表資料の作成などに携わる。当社入社後はクライアント先である外資系製薬企業においてオンコロジー領域を中心に幅広くパブリケーションマネージメントを展開する共に、社内においてもEvidence generationに関するプロジェクトのコンサルティングを行っている。
大学院修了後、複数のCROにてメディカルライターとして治験の総括報告書や臨床研究の論文、学会発表資料の作成などに携わる。当社入社後はクライアント先である外資系製薬企業においてオンコロジー領域を中心に幅広くパブリケーションマネージメントを展開する共に、社内においてもEvidence generationに関するプロジェクトのコンサルティングを行っている。